仕事ができる人は自分を「操縦席」においている

Aさんのように「環境の被害者」という主語を使い続ける限り、脳は「自分ではどうにもできない」と判断し、ストレスは受け入れるものと判断し、結果、心身のストレス反応は続きます。

一方、同じ職場でも上手に働いている(つまりできる)人は、“私(I)”を別の意味で使っていることが多いと感じます。その人たちは、“私は”という主語を、自分の判断、責任、行動根拠として使います。他人(私以外)や状況(職場環境)はあくまでその前提条件にすぎず、原因ではありません。自分は常に影響を受け続ける存在ではなく、あくまでその状況の中で“私が”主体的に判断しているという趣旨の話し方をします。つまり、仕事ができる人は自分を人生の操縦席におく主語の使い方をしています。

受付で働く女性コンサルタント
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「面倒」「どうせ」「無理」による“自己暗示”

別の会社に定期的に産業医面談に来る40代男性Bさんがいます。彼はすでにメンタルクリニックに通院しています。そして、ストレス症状はいくらかあるものの、休職するほどではありません。彼は口を開けば「面倒」「どうせ」「無理」というネガティブな言葉がこぼれます。「上司は面倒な仕事ばかり自分に振ってくる」「どうせ会社は社員を駒としか見ていない」「人が減っているのに仕事は増えるなんて、もう無理だ」等々。