不況の中国でウケる「平替」とは
日本の回転ずしでも、寿司以外にラーメンやうどん、天ぷら、スイーツなどのメニューはあるが、中国の「スシロー」のメニューを見ると、その種類は日本を大きく上回る。前述の張さんも「日本では生ものが新鮮だから、奇をてらったメニューはそんなに頼んだことがなかったのですが、こちらでは、逆にそういうメニューを頼んでしまう。でも、それが中国人の口に合うように工夫されていて、ボリュームがあっておいしい。家族で行く人が多いし、寿司だけだと幼い子どもは飽きてしまうと思いますが、これなら家族みんなが楽しめますね」と話す。私も他の店舗で食べた中国人のSNSを見たことがあるが、ファミリーで滞在している人が多く、一種のイベント、行楽のような感じだった。
2つ目の理由は、コスパの良さだ。中国では、とくにコロナ禍以降、不動産不況や消費不振が顕著になっており、デフレ圧力が強まっている。かつてなら、見栄をはって「高級店で優雅に食事する私」といった写真をSNSにアップして自慢することが「いきがい」だったような人が、昨今では様変わりしている。高級店はどこも閑古鳥がないており、お手頃な店に食事に行く人が増えている。中国では「平替」(ピンティ=手頃な価格の代替品)という言葉がはやっており、安くて、しかもおいしい(あるいはお得な)商品を買ったり食べたりすることを喜ぶなど、人々の意識が変わった。
物価高の都市部では「お手頃感」
価格帯は1皿10元(約220円)を中心に、寿司類は28元(約616円)くらいまで、一品料理は30~40元(約660~880円)くらいまである。寿司と一品料理を合わせて注文すると100元(約2200円)では足りず、120元(約2640円)くらいにはなる。円安なので日本円で換算すると、家族4人で行ったら1万円を超えてしまうが、それでも物価が高い中国の都市部では、かなり「お手頃感」が強い。大きな買い物を控えている中国人にとって、「回転ずしくらい、全然贅沢ではないよね」といった感覚があるようだ。
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