強みは「強みがない」こと

初のヒット作以降、ライツ社はジャンルにとらわれない姿勢で少しずつ業績を伸ばしていき、21〜22年には年間売り上げが過去最高の4億2500万円に到達。社員7人という小規模出版社でありながら、一人当たりの売り上げで見れば、大手出版社と比べても遜色ない水準に達している。その強みはどこにあるのか――。

編集長も務める大塚啓志郎さん。いまおすすめの一冊は『読まない人に、本を売れ。』
編集長も務める大塚啓志郎さん。いまおすすめの一冊は『読まない人に、本を売れ。』(撮影=プレジデントオンライン編集部)

ライツ社は、児童書でありながら本格ミステリーとしても読める『放課後ミステリクラブ』や、家庭でもできる全世界の料理の作り方を収録したレシピ本『全196ヵ国 おうちで作れる世界のレシピ』など、斬新な切り口の本を刊行している。本づくりへのこだわりを尋ねると、大塚さんは「強みがないこと」と語る。

「普通の出版社って、あそこだったら「ビジネス書」、ここといえば「絵本」みたいな強みがある。でも僕らには、それがないんですよ。だから、どんなジャンルも『おもしろそうだな』と感じられるし、いろんなところにアンテナが立つのかもしれません。僕らはどこのジャンルに行っても新参者なので、そこに参加させてもらうのであれば、そのジャンルごと新しくできるような本をつくりたいと、いつも思っています」