「痛勤」客の需要を捉えた

そんなプレミアムカーは、なぜ商業的に成功を収めたのか? 要因は「インバウンド観光客の増加」と思われがちだが、もうひとつ「枚方市駅など、途中駅からの乗車の多さ」にもある。

枚方市駅からは、大阪・淀屋橋まで21.8Km、京都・三条駅まで27.5Km。どちらにも30分程度で通勤が可能な「2WAYアクセスの街」だが、大阪市内に向かう特急・快速列車は京都・出町柳駅発、逆方向は大阪・淀屋橋駅発が多く、到着した電車は軒並みぎゅうぎゅう。枚方市駅から座って通勤するには、7時台だと1本ある枚方市駅始発の快速急行に並ぶか、普通列車の始発・萱島駅から1時間かけて乗り通すしかない。

「大阪・京都の2WAYアクセス」という誘い文句につられて枚方市にマンションを買ったものの、毎朝ごとの“痛勤”を余儀なくされている。そんな京阪ユーザーにとって、「立って通勤」の時間を、ワンコインで「座って快適に通勤」に変換できるプレミアムカーの価値は、計り知れない。だからこそ、大阪・京都に通勤する人々は、枚方市駅からたった30分程度でも、プレミアムカーに乗りたがるのだ。