ここで、話をヨーロッパに転じたい。ヨーロッパでもまた、国民にインフレ税が課されているケースが多い。その中でも酷いケースが、イギリスとフランスだ。両国の場合、国民にインフレ税を課しているにもかかわらず、公的債務残高の膨張に歯止めがかかっていないどころか、むしろさらに膨張しているという点で、深刻な状況である。
イギリスの場合、2023年1-3月期の96%を底に公的債務残高の対名目GDP比率が上昇に転じ、直近2025年4-6月期は101%に達した(図表2)。コロナショック後の最悪期の水準(2021年1-3月期の106%)よりまだ低いが、この間に物価要因が押し下げ方向に働いているにもかかわらず、それを上回るピッチで公的債務が増えたことになる。
イギリスとフランスの酷な事例
2024年7月に誕生した中道左派の労働党政権は、前任の中道右派の保守党政権の下で悪化した財政の健全化を訴え、増税を強化した。一方で、歳出をカットするどころか増やしたため、結果的に財政赤字は縮小せず、国民が重いインフレ税を課されているにもかかわらず、公的債務が膨張するに至っている。これでは国民が反発して当然だ。
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