食料自給率が一向に上がらないワケ

減反は、単なるコメ減らしではなく、麦や大豆などの作物へ転作することで食料自給率を高めるのだと主張された。

しかし、本業がサラリーマンで週末に少ししか米作を行えない兼業農家は、麦や大豆へ転作するための新しい機械や技術を取得する時間的な余裕はない。年間30日も農業に働いていないのでは当然だろう。このため、転作(減反)補助金をもらうため、麦等の種まきをするだけで収穫しない“捨て作り”という対応をした。減反の目的はコメの減産なので、コメさえ作らなければ減反していると認定してもらえた。このため、いくら転作補助金を出しても麦や大豆の生産は増えず、食料自給率は上がらなかった。