夏の福袋が余っても「よかったじゃない」
毎年、お正月にはお得な割引券と「どむぞうくん」グッズを詰め合わせた福袋を販売しています。とても好評ですぐに売り切れるため、ある年、夏にも同様の「夏の福袋」を販売しました。お正月より少なくしてすぐに売り切ろうと思いましたが、余ってしまったのです。
販売担当者は焦りと不安で落ち着かなかったと思いますが、私は「よかったじゃない!」と声をかけました。なぜなら、夏の福袋を売ったおかげで、暑さで売上が落ちやすい7月をプラスにできたからです。
売れ残ったことをネガティブに見て、「失敗した」と落胆する人もいるかもしれません。しかし私は、新しい企画を実施したこと、月間の売上がプラスになったことを素直に嬉しく思いました。お正月は多くの店が福袋を出すため、相乗効果で売れて当然と言えます。それに比べて、夏の福袋を販売しているブランドは少ないにもかかわらず、大半が売れたのです。これは、評価に値することだと思いました。
物事がうまくいかなかったとき、「失敗した」と思うと気持ちが沈み、思考停止に陥りがちです。それどころか、マイナスなことばかり考えてしまうのではないでしょうか。
失敗という概念はなくすことができる
うまくいかなかったときにまずすべきことは、視点を変えて物事を捉え直すことだと感じています。別の角度から見て、プラスになったことを探してみる。そしてひとつでもプラスなことに気づけたら、失敗と思っていたことが「一過程にすぎない」と思えます。
その後に丁寧に考察すれば、「これを成功に導くためには何をすべきだったかな」とプラスの方向に頭が働き出すはずです。
様々な見方や考え方をすることで、失敗という概念をなくすことができるのです。
万が一、ひとつも収穫がないと感じた場合でも、「このやり方ではうまくいかないんだ」と気づけたこと、それ自体が収穫ではないでしょうか。
