消されていた「妾」の文字

第8週「クビノ、カワ、イチマイ。」(11月17日~21日放送)でも、ヘブンの不機嫌は続いた。周囲から「ラシャメンを囲っている」という色眼鏡で見られていると感じ、トキをクビにしようとするが、錦織が説得して、なんとか思いとどまらせた。つまり、ヘブンは妾などまったく所望しない清廉潔白な男性として描かれているのである。

だが、ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンが、トキのモデルの小泉セツに求めたものは、「ばけばけ」で描かれるのとは違ったようだ。トキはラシャメンでないので、夜になると家に帰ることが許されているが、ハーンが明治24年(1891)の1月か2月ごろ、錦織のモデルである西田千太郎に宛てた書簡には、住み込み女中を求めていると書かれている。

また、『西田千太郎日記』の原本には、もともと書かれていた文字が消され、その脇に「節子氏」「細君」と書かれた箇所があった。そして、消されていた文字は「ヘルン氏の妾」「愛妾」だった。