公開前から『君の名は。』を超える高評価
南米でも鬼滅は大人気で、メキシコのニュースサイトのエスデーペー・ノティシアス(SDP Noticias)によれば、メキシコでは前売り開始時にシネポリスとシネメックスという大手チェーンのサイトが一時的にダウンするほどのアクセスが集中しました。
公式確定値は未公表ですが、世界の興行収入データと映画ニュースを提供する「Global Box Office」(@GlobalBoxOff)によれば、ブラジルと南米では「発売開始からたった16日で本年公開のアニメで最大級の前売りに達した」との情報もあります。
さらになんと時代は変わりました。これまで日本のアニメと言えば「ジブリ」だったのですが、若い世代には「鬼滅」が日本を代表する作品に変わりつつあります。
エンタメ総合ウェブサイトであるゲームスレーダープラス(GamesRadar+)によれば、映画評価サイトのインターネット・ムービー・データベース(IMDb)では三部作の第一作目となる『劇場版「鬼滅の刃」無限城編(Infinity Castle)』は公開前にもかかわらず10点中8.9と高い評価で、『君の名は。』(8.4)など歴代の有名アニメを超えています。
ハリウッド映画にはない映像美に驚かされる
ではなぜ海外の観客は「鬼滅の刃」にこんなに惹かれるのでしょうか?
理由は「超高品質の作画×IMAXなどのフォーマット」「感情移入」「ファンコミュニティの存在」の3つです。
たとえば世界最大級の掲示板型SNSであるレディット(Reddit)のスレッド「映画「鬼滅の刃無限列車編」について語ろう」(Kimetsu no Yaiba: Mugen Train Movie Discussion)、「鬼滅の刃無限城編第1章「猗窩座再来」日本公開まとめスレ」('Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Infinity Castle - Chapter 1: The Return of Akaza' Japan release megathread)では、シネマトグラフィ(撮影技術や映像表現)、戦闘シーンのビジュアル効果の高さ、サウンドトラックなど、芸術性の高さが評価されています。
実際に劇場に観に行くと、ハリウッドのSF映画よりもユニークで美しい表現をアニメで実現していることに驚く方が多いでしょう。音楽と動画のユニゾンも今のVTuber世代に刺さる内容です。

