その気がまったくないのに恋愛感情を抱く教師
②子どもに横柄なタイプ
このタイプは①と比べて、教師と子どもの線引きは比較的になされています。が、社会生活の中で周囲の大人と対等に主張しあって溶け込めない反動から、子どもに対して態度が大きくなっているようです。こちらに関しては、子どもからも避けられているか、嫌われているかしていることが多いようです。
こういう大人は友人関係においても、年下で物静かな相手を好むことが少なくありません。なぜなら、従ってくれるほうがやりやすいからです。子どもからすると、相手が教師という年長者なので従っているだけなのですが、その様子が「向こうも好意を持ってくれていると思った」と錯覚してしまうのでしょう。
これも筆者の知る例ですが、あまり生徒とは積極的に関わろうとしない年配の男性教師がいました。職員室の中でも、やや孤立していたようでした。ある女子生徒から親との関係について相談に乗っているうちに「恋愛感情を抱いてしまって」、部活動で遅くなった彼女を自家用車で家まで送って行くと言い同乗させ、車内でわいせつ行為をした件がありました。もちろん、生徒側には恋愛感情など微塵もありません。
まともな教師は対人距離の偏りを自覚して気を付けている
幼年の子どもを恋愛対象とすることを小児性愛と呼びます。それは「愛情ではなく支配欲だ」と評されることがありますが、その内実は対人距離の不安定さに加え、従ってくれる相手を選んでしまうという人間関係の偏りがあるのだと筆者は思っています。逆を言うと、従ってくれる相手でなければ当人の中で恋愛感情に発展しようがないとも考えられます。
このタイプは子ども相手に限らず、成人に対する性犯罪の加害者としても登場してくる印象です。おとなしそうな相手をターゲットにしているふしがありそうです。
①②のそれぞれのタイプは、多かれ少なかれ誰しもが持っている要素だと思います。たとえ教師ではなくとも、大人よりは子ども相手のほうが気を遣わなくて楽だったり、反対に子どものほうがどう接すればよいのかわからなかったりするものではないでしょうか。
しかし、多くの人はそんな自分を自覚しています。男性教師であれば女児・女子生徒、女性教師であれば男児・男子生徒とのほうが距離が近づきやすいのは普通のことです。気づいているからこそ自制することができ、あからさまな対人距離の偏りが極端には出てこないのです。
