ただし、“なんとなく”欲しい程度の服やバッグや靴をすべて買っていたらお金が足りません。そこで私は1日で1番長い時間を過ごすオフィスで着る服に投資することにしました。幸い、カジュアル服よりきちんとした服のほうが似合うので、好みと“似合う”と必要性が一致しています。
読者の皆さんも日々“なんとなく”使っているお金があると思います。たとえば私はランチ後に同僚と行っていたカフェ代がそうでした。ずっと同じ人たちと一緒でそれほど楽しい話をするわけでもない。それよりも自宅で丁寧に淹れたお茶をタンブラーに入れて、自分の席でのんびり過ごすほうが性に合っていました。仲間はずれにされたら困りますが、皆さん、大人ですからそんなことはありませんでした。カフェやお付き合いの飲み会を減らし、会いたい人とたまに美味しいランチをする生活のほうが気分爽快で、無駄遣いもしないですむようになりました。
小さな出費でも、積もれば山となります。もちろん、ランチ後に同僚とコーヒーを飲みながらおしゃべりするのがとても楽しく欠かせないひと時なら、それは意味のある出費です。要は、小さな出費であっても、その出費を意識するかしないかが大切だと思うのです。
1年間貯金できたら、1割ペイバック
以前、友人から「ケチなの?」と冗談めかして言われて「うん、ケチなの」と笑顔で返事したことがあります。自分自身が「今」をちゃんと楽しみながら、「将来」に備えている実感を持っているので、ケチと言われても気になりません。実際、価値観が異なる人から見ればケチなのでしょう。でも、他人にどう思われるかではなく、自分がどうありたいか。そちらのほうが“ケチケチ贅沢”のライフスタイルを志向するようになった私には重要です。
先ほどお話ししたように、若い頃は流行っているからと自分に似合わない服を“なんとなく”買ってしまう失敗もたくさんしました。お金を使って着られない服が残る。なんてもったいない消費でしょう。