「マルクス主義の未来予測」が外れたワケ
資本主義に批判的なマルクス主義の研究者の間では、社会は生産手段を所有する資本家階級(ブルジョワジー)と自分自身の労働力しか持たない労働者階級(プロレタリアート)という二大階級だけが残ると考えられました。資本主義が発展すればするほど、両者の間に立つ中産階級が没落し、激化した階級対立から最終的に社会主義革命が勃発するとされたのです。
しかし、世界の先進資本主義国で産業化が進み豊かな社会が形成されると、国民全体の生活水準が上昇し、階級対立が沈静化します。とくに日本では戦後の高度経済成長によって、国民の大多数が自分自身を中流と見なす一億総中流社会が形成されました。ただし、社会全体が豊かになることによって、相対的な平等化が進んだと見なすのか、あるいは逆に不平等が残ったまま生活水準だけが上昇したと見るのか、見解が分かれるところです。
1990年代以降の日本では、バブル経済の崩壊とグローバル化によって景気が低迷化し、貧困と格差に注目が集まります。社会学では人が一つの階層から他の階層へと移動する階層移動の研究、とくに世代(親と子)を超えて起こる世代間移動の研究が盛んでしたが、バブル崩壊以降、専門・管理職の子どもは高い学歴を獲得し、大人になると親と同じ専門・管理職に属するという、閉鎖的な社会層が形成されているという指摘がなされました。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
