「エアコン2027年問題」で安い機種が消える? 値上げ前に買うべきか、家電のプロが検証した結果は…(藤山 哲人)

2027年度からエアコンの省エネ基準が厳しくなり、現在5万~6万円で売っているエアコンが市場から消え、他も、軒並み価格が上がると言われています。では、値上がり前にエアコンを買うべきなのか? 検証してみました。

「エアコン2027年問題」でどうなる? ©AFLO

安いエアコンがなくなる?

そもそも、なぜエアコンが値上がりするのでしょうか。

家電量販店のエアコンには、必ず「省エネ性能」を示す緑のラベルが掲示されています。

ここで注目すべきは中段の「目標年度」と「省エネ基準値達成率」。なお、「寒冷地仕様」という文言もありますが、これは東北~北海道在住の方に向けた指標です。

2025年11月現在は「省エネ基準値達成率」が100%未満でも販売可能ですが、2027年以降(「目標年度2027年度」と表記のある製品)は100%未満のものは販売停止になる(実際にはメーカーにペナルティが科されるので事実上なくなる)と言われています。

省エネ基準値は「APF」というエネルギー消費効率を示す指標で表され、基準値なら達成率100%となり、それ以下なら100%未満、より省エネが高いと100%以上となります。2027年以降のAPFの変更は、各畳数向けのエアコンでそれぞれ異なります。

エアコンの省エネ性を向上させるには、半導体やモーター、コンプレッサや冷却用ガスの改善、センサーやマイコンを使った自動節電運転が必要なので、価格重視の製品は部品代が値上がりするため、販売価格が高くなってしまいます。

また中国で生産している製品は、グローバル仕様のものが多いため、日本の改善率に対応するのが難しいという理由もあります。