お小遣いの金額は「WANTS」に「NEEDS」を加えて決めるのがポイントです。WANTSとはおもちゃやゲームといった“欲しいもの”。それだけでなく、NEEDS=ノートや鉛筆など学校で使う必需品もお小遣いから買わせるのです。こうすると、優先順位をつけてやりくりする力が身につきます。欲しいものを買うために、ノート1冊、鉛筆1本も大切に使うようになり、安く買える店を探すなど知恵を働かせるでしょう。1カ月の目安は小学校低学年なら200~500円、高学年になったら1000円前後まで増やし、靴下など衣類の一部も子供に任せます。さらに、中学生や高校生になったら、定期代や携帯電話の使用料などもお小遣いから出させます。
もちろん、WANTSには明らかに無駄なもの、親として買ってほしくないものも含まれるでしょう。その場合、「ダメ」と強制するのでなく、話をして最終的な選択は子供にさせる。結果、買ってよかったかどうかもお小遣い帳に書かせると、お金の使い方を考えるようになります。ちなみに、お年玉も一旦は子供に渡して、いくら貯金するかを決めさせます。子供自身が考えてお金を使う。その積み重ねが経済観念を育むのです。
私はこうした方法を娘たちに実践してきました。塾の特別講習費、大学の入学金や授業料といった大金を払うときにも、子供の目の前で数えて確認させたのです。講義1コマにもお金を払っていることを実感したからでしょう、「サボったり、寝たりなんかしたらもったいない」と、よく娘は言っていました。
子供に家庭の経済事情を話すのがタブー視されたのは昔の話。親のスネを齧り続けられるゆとりのある家庭ほど、しっかり金銭教育すべきでしょう。
(構成=上島寿子)