なぜ「世界の目」が気になるのか

トランプ氏による天皇や皇室への尊敬を解剖する前に、「皇室はなぜ世界で尊敬されるのか」との疑問を、私たち日本人が抱く理由を見なければならない。なぜなら、この疑問そのものが、くりかえし、かつ、しばしば考えられてきたからである。

歴史家・評論家の八幡和郎氏は、〈「世界でたった1人のエンペラーだから」ではない…天皇陛下が世界中から尊敬される3つの理由〉と題した記事(プレジデントオンライン、2023年1月2日午前8時配信)のなかで、「3つの理由」を次のようにまとめている。

それは、「日本という国そのものに対する評価」、「日本の皇室、あるいは歴代の天皇が文化的にも、道徳的にも評価されてきた」こと、そして、「上皇陛下が国内のみにならず海外にも頻繁に出かけられ、各国の人々とも海外の王室ともストイックに交流を深められたこと」の3つである。

2014年1月2日、日本の人々が手に日本の旗を持つ
写真=iStock.com/brize99
※写真はイメージです

疑問の示し方がなぜか「受け身」

また、著述家で元国連職員の谷本真由美氏は、昨年(2024年)に天皇皇后両陛下が国賓としてイギリスを訪問した際のパレードを見たときに、多様な国や地域の人たちが、「生の天皇皇后両陛下」に感激している様子を目の当たりにしたという(〈中国でも愛子さまと雅子さまは大人気…「日本の皇室」が世界中から尊敬される本当の理由〉プレジデントオンライン、2024年12月17日午前9時配信)。

その理由について、「そもそも世界には『王室が現存している国』なんて限られているからです」と述べている。

八幡氏も谷本氏も「なぜ、私たち(日本人)は、天皇(皇室)を尊敬するのか」を問うてはいない。「なぜ、天皇陛下(皇室)が世界中から尊敬されるのか」と受け身の形で、その疑問を示し、そして要因を考察している。

ここにこそ、トランプ氏をも魅了する天皇や皇室の秘訣が隠されているのではないか。