「ふつうの日本人」が直面しているジレンマ

今回の騒動に参加した人びとが「アフリカ人が移住することはないですよ」というJICAや外務省や自治体の公式発表をまるで信用せず「炎上したから撤回しただけで、バレなきゃ移民計画をやるつもりだったのだ!」と火に油を注ぐような結果にすらなっている。しかしながらこれは、「リテラシーの欠如した差別主義的な集団ヒステリー」とだけ片づけるべきではなく、「なぜこんなにも過剰な拒絶反応を示すのか?」を検討しなければならない。

外国人に対する過剰な拒否反応は、いまこの国で暮らす人びとが直面するジレンマがその要因になっている。

現実的には「外国人をただ追い出せばいい」という単純な問題ではなくなっていることに、多くの人は気づき始めている。たとえ日本の秩序や規範や風土に恭順するつもりのない人たちであっても、かれらを客にせよ移民にせよ日本に招き入れなければ、いまの人びとが期待する社会の「平常運転」を維持する最低限の労働力や経済力すら確保できないというジレンマがこの国にはすでにあるのだ。