被疑者は夜にこそ真相を語る

検事は、警察から一番に信頼を得なくてはならないからだ。ところで、午後5時30分までに取調べが終わらない場合であっても、取調べを終了し、護送バスで被疑者を警察署に帰すことがある。

しかし、その場合、護送バスが署に着いて夕食が済んだ頃を見計らって、その日の夜に事務官と一緒に警察署に赴き、取調室を借りて被疑者を取り調べることになる。被疑者は、検事が夜に自分の取調べのために遠くからわざわざ警察署に来てくれたということに心を打たれて、供述することがあるからだ。

こちらとしても夜の方が被疑者の取調べに集中できるというメリットもある。私は、特に否認を続けている被疑者にはそのやり方をとっていた。被疑者は夜にこそ真相を語る。しかし、捜査員にとっては、夜、検事が来ることは迷惑だったかもしれない。