だから「思うように働けなくなった」

ワークライフバランス(以下、WLB)とはすなわち、労働時間の短縮であるともみなされる。「働き方改革」が進む中で、筆者の周りではこうした声もよく聞かれた。

「残業がダメって言っても、仕事は現実的にあるわけですから……家に持って帰って仕事したりもしますよ」
「残業を抑制するのは、働きたい人の権利を侵害していることにはならないんでしょうか? 『多様性』にはもっとバリバリ働きたい人の意見は含まれてないんですか?」

とあるご年配の方はこう仰っていた。ハードワークで知られる業界の方である。

「今労働規制が厳しいでしょ。でも、アメリカじゃそんなのはないから、みんな働きまくっていますよ。『アメリカに勝て』って言われますけれど、ハードワークが禁止されている状況で、どうやったらアメリカに追いつけるんですかね」

実際に、アメリカの平均月間労働時間はOECD主要国の中でも一貫してトップであり続けている。微減傾向であるものの、日本に比して減少幅は小さい。