朝起きたら妻の靴とバッグがない

行方不明者の実例を挙げたい。話をしてくれたのは鳥取県米子市在住の荒川勉さん(66歳)。荒川さんの妻・泰子さん(当時59歳)は2023年の8月8日の早朝突然姿を消した。

「妻は行方不明になる5年ほど前に『意味性認知症』と診断されていました。日常生活に支障がでるほどではないのですが、会話に出てくる『おはし』や『えんぴつ』の意味がわからなくなってしまう病気です。その症状が出るころにはパートを辞め、週4日のデイサービスに通っていました。それでも朝ごはんの準備は毎日できていましたし、散歩や買物もひとりで行けていました」