令和7年産の米は足りているのか

令和7年度産の米は、前年度と比べて作付面積は10万ヘクタール以上増加し、単純計算で56万トンの増産が見込まれています。これは政府の増産意向に即応したものではありませんが、最新の需要見込みが663万トンなのに対し、生産見込みは735万トンで、供給量は十分という予想です。ただし、先に述べた精米歩留まりやインバウンド需要の影響を考慮していないので、今般の異常気象や災害が起こる可能性を含めて考えると油断はできない状況です。

そもそも令和4〜5年に、生産実績670万トンが需要実績691万トンを下回った時点で、政府は何らかの対策を検討・段階的に実行すべきだったのかもしれません。当時から民間在庫に供給のバッファ機能があまりないこと、精米歩留まりの影響を考慮して、早期の需給兆候分析や予測を活用すれば、準備できた可能性はあります。

ただ、令和4年6月末の民間在庫は約218万トンと十分で、生産量を加えた供給量計も約888万トンでした。それまでコロナ禍の影響により米の供給過剰が顕著で在庫が積み上がり、暴落ともいえるほど米価が低く推移していた経緯から、その判断の難しさは察するに余りあります。また、実績の算出から、それに対応した政策立案・施行には半年以上のタイムラグがあるため、迅速な対応は難しい側面があるのも確かでした。