ロシアの軍事的影響力は「ガタ落ち」した
アルメニア・アゼルバイジャン間のナゴルノ・カラバフ紛争は、力による現状変更を国際社会が事実上追認した戦後秩序を崩壊させる出来事だった。この出来事はパワーの時代の到来を予感させる事件であった。一方、ロシアの衛星国同士の40年間の紛争を終結させた人物はトランプ大統領であった。
特に、長年懸案であったザンゲズル回廊の取り扱いについて、「国際平和・繁栄のためのトランプ・ルート(TRIPP)」と名付けた事業が実施される意味は大きい。これはアルメニアが米国に同回廊の土地を独占的に開発する権利を99年間提供する権利を与える内容であり、事実上の租借権のようなものだ。米国は同回廊に鉄道やパイプラインなどを設置するが、これはロシア・イランを経由せず、中央アジアが西側と繋がる道を開くものだ。米ロ首脳会談直前の和平調停によって、トランプ大統領はロシアにコーカサス地域で完全勝利した状態で臨んでいたことになる。
この結果として、EUおよびコーカサス方面への進出が阻まれたロシアの軍事的な影響力は著しく落ちることになり、米国はロシアを気にすることなく対中国の作業に取り掛かれることになった。
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