2011年3月11日に発生した東日本大震災、福島第一原子力発電所事故は日本人の生活観・労働観を大きく変えた。この未曾有の大災害の後、私たちの進むべき道はどこにあるのか。

高卒者が地元で働ける社会をつくれ

高齢化が進み国の借金がとめどなく積み上がる――。21世紀を迎えた日本は、ただでさえ国としての活力を失いつつあり、2011年、世界のGDPランキングで中国に抜かれ、3位に転落した。

ドリームインキュベータ会長 
堀 紘一氏

海外からの目は辛辣だ。外国人の多くは、震災後「日本の時代は完全に終わった」と判断している。20世紀後半をリードした日本の経済力や科学技術力は失速し、回復しないだろうというのである。

私は日本人の1人として「そう簡単に没落してたまるか。日本はこれから間違いなく復興する」と大声で反論したい。

では、どのような「よいシナリオ」が考えられるだろうか。

私は「高卒者が地元で働ける社会づくり」を提唱したい。いま現在、高卒者の就職内定率は低下の一途をたどっている。

地元企業に限ると内定率はさらに低い。高卒者に職を与えることのできない国はろくなものではないと私は思う。

たとえば北海道小樽市の「ハローワーク小樽」管内では、10年3月の地元高卒者が管内に就職を希望し、内定を得た比率は46.3%にすぎず、他の地域を含めた全体の内定率55.8%に比べてもなお低レベルにとどまっている。

だから多くの人が心ならずも東京などの都会に出てくるのだ。大都市へ人口が過度に集中することで、起きなくてもいい問題が起きていると私は見ている。