富裕層=ミリオネアとはまったく異なる生活スタイルを持つという超富裕層=ビリオネア。巨額の資産を代々受け継ぎながら、表に一切姿を見せない真の富豪たちの素顔は──。ナゾに包まれた「日本人の0.02%、2万6386人」の完全プロファイリング。
子弟の教育は東大より海外
一般にお金持ちは、自分にとって何がメリットで、何がデメリットとなるのかを常に考えています。ただ、この辺りはミリオネアとビリオネアでは基準が異なるようです。ミリオネアは1代で財を成した方が多いので、もっと自分のブランド価値を上げてビジネスチャンスを広げていくのがミッションとなります。彼らのフェイスブックの記述が、いい服を着、いい時計をつけ、誰と会って、どんな高級店でご飯を食べるか、といった内容になりがちなのは、そのための施策・戦術だからです。
対するビリオネアの方々は、代々培ってきた資産を、増やすよりも防衛することが最重要となります。今は国内行政や海外も含め、後述する相続税などのナーバスな問題がいろいろ出てきているので、目立てば目立つほどちょっと危うい立場に追いやられるのは自明です。どうしても目立たずに行動する傾向が出てきます。
ミリオネアとビリオネアの違いは、高額所得者だけが保有することで知られるクレジットカード「ブラックカード」の扱いにも表れます。ブラックカードのヘビーユーザーは、どちらかというとビリオネアよりミリオネアのほうが多いようです。先日、私とブラックカードを持つ知人の3人で食事をしたとき、皆がブラックカードを持っていることがわかると、次は「僕はこの頃から持っていた」と、入会した時期が話題になる。いかにして相手に勝つか、というギラギラした感じですね。「招待日和」という富裕層会員向けサービスがあります。これは、客単価2万、3万円クラスのレストランを対象に、年会費3万円を払えば、加入店利用時に1つのお店は半年に1回、店に2人で行くと1人分が無料になるというもの。初めてのお客様には基本的に1人分タダにして、良さをわかってもらい次にまた使っていただく、というのが目的の1つです。ブラックカードにも別の名称で付帯されている、利用率が非常に高いサービスです。