納期が迫る中、目標が達成できそうにない。そんな部下の数字をぐっと伸ばすにはどうすればよいか。課長、部長、支社長……それぞれの階層で営業現場を取りしきる辣腕管理職たちが、数字につながる指導法を伝授する。

今のマネジメント層は、新人時代、「飛び込み営業」や「お願い営業」が通用した世代だ。期末まであと3日というところで、顧客に頭を下げて契約書に判をもらい、ようやくノルマをクリアした経験を持つ人も多いだろう。

そんな時代と今とでは、市況も部下への指導も大きく様変わりしている。「今どきの若手は粘りが足りない」などという感想ばかり抱いている上司は、指導法が現状とズレている可能性が大きい。

納期までの限られた時間で数字を達成させるにはどうするべきか。部下の数や上司の階層によっても指導法は変わってくる。トップセールスを育てる名伯楽の行動パターンからぜひ目標達成のマネジメントを学んでほしい。

男性と女性で声がけを変える理由

大和証券名古屋支店の資産コンサルタント部で次長を務める松岡住子氏は、自らも顧客へ訪問し、顧客の相談に乗る。

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松岡次長の激励法「男性部下vs女性部下」

「やはり率先垂範で、自分が業績を挙げて部下に背中を見せるのも指導のうち」と語るが、もちろんそれだけではない。

「自分が頑張るだけでは後々もたなくなる。エネルギーの半分は指導に振り向けるつもりで、常に部下への目配り、気配りを心がけています」

部下の販売実績をまとめて確認するのは主に月末。が、それとは別に、1日の終わりに1人1人からその日の報告を受けるようにしている。時間は1人につき5分程度。そのわずかな時間が、目標達成に向かわせる絶好の機会となる。

「若手なら、自分の経験を踏まえたうえで『こういうお客様にはこの商品がいいのでは』と具体的にアドバイス。中堅社員の場合は、その人なりのノウハウもプライドもありますから、押し付けることはせず、『こんな方法がある』と選択肢をいくつか示すだけにとどめます」

本人が考える余地を残したほうが、成長につながると松岡氏は語る。