オークションというマジックがカネを生む

「バイクを売るならゴー、バイク王~♪」と、店名と電話番号の語呂合わせでタレントが踊る。

買い取り専門店の「バイク王」の広告はテレビ、ラジオ、雑誌、インターネットや携帯電話のバナー広告に至るまで、あらゆる媒体で露出している。

この買い取り専門店を運営するのが渋谷区広尾に本社を構えるアイケイコーポレーションだ。

しかし、勢いのある同社の宣伝とは裏腹に、市場には北風が吹く。国内のオートバイは需要が激減。国内新車総需要は1982年の329万台をピークに減少し、日本自動車工業会は2009年度の総需要を47万台、前年度比86%と予測した。

それでも加藤義博社長に悲観的な考えは一切ない。

加藤社長はバイクショップのアルバイトから買い取り専業へと転身した後にアイケイを立ち上げた。

「バイク市場は縮小しているとは全然思ってません。目の前にすごく大きな可能性が広がっていて、その中でビジネスしている感覚です」

同社の決算は好調だ。98年の設立以来右肩上がりで、04年8月期から08年8月期の4年間で売上高(連結)は約2.5倍の245億円に成長した。約15社あるバイク買い取り専業の中で堂々のトップとなっている。