トランプ砲を受けて再び下落したトルコリラ

トルコリラ相場がまた不穏な動きを見せている。10月7日、トルコリラの対ドル相場は1ドル5.71リラから5.85リラと約2%下落した。米国のトランプ大統領がシリア北部から米軍の撤退を開始したことを受けて、トルコ軍がクルド人勢力の掃討そうとうを図る大規模な軍事作戦を行うとの観測が強まったためだ。

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トルコのエルドアン政権はクルド人勢力と敵対関係にある。そのクルド人勢力は長年米国と良好な関係にあり、いわゆる「イスラム国」の掃討にも協力した。トルコと国境を接するシリア北部は現在、そのクルド人勢力の統治下にあるが、エルドアン政権はトルコ国境付近からクルド人勢力の影響を排除しようとしていた。

来年11月の大統領選を控えた米国のトランプ大統領は、外交的な成果を上げることに腐心している。内向き志向が強いトランプ大統領の場合、各国に展開する米軍の配置を見直すことを重視している。シリア北部からの撤退もまた、そうしたトランプ流の手法にのっとった米軍基地のリストラの一環と言えよう。