ちょっとしたミスなのに必要以上に激怒する。上司からそんなパワハラを受ける部下は「叱責されるのは自分が悪いから」と思い悩み、心身を病んだり、転職を余儀なくされたりする。心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、「パワハラやセクハラは、上司が部下を“嫉妬”した結果の行動である可能性が高い」という。上司の“奇っ怪”な精神構造と、理不尽な攻撃を回避する方法を解説しよう――。

※本稿は、大嶋信頼『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

「上司のパワハラの原因は部下に対する嫉妬」説

上司から過剰に叱責されて、会社に行くのが憂鬱。何かミスをしてしまうのでは、と思って前向きに仕事ができない。真面目に仕事をしているのに、「なんでお前は真剣に仕事をしないんだ!」と怒鳴られたりして、体調が悪くなる……。

大嶋信頼『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(すばる舎)

上司からパワハラとも思えるような仕打ちを受けているにもかかわらず、「でも自分が悪いから仕方ない」と思う方は多いのではないでしょうか。

言われた側がダメージを受けるような言動、とくに「おまえを正してやっている」「相手が間違っていて自分が正しい!」というような態度で接してくる人は、「嫉妬の発作」を起こしている可能性が高いです。

「発作」という表現を使うのは、嫉妬は「動物的な反応」だから。ペットと飼い主との関係でも、飼い犬が飼い主の愛情が他の犬に向いていると感じると、急に不機嫌そうにうなりだすことがあります。

犬の場合と同様に、人間も嫉妬すると、自動的に破壊的なことを考えてしまう、という現象が起きます。

たとえば、自分の好きな人やパートナーが誰かと仲良くしていると感じたとき、

「私の好きな彼を飲み会に誘うあの子が許せない!」
「俺と付き合ってるのに、他の男と二人きりで会うなんて、なんて軽い女なんだ!」

など、憎しみや恨みや不安の感情を止まらなくなることがあります。

職場の上司が同僚に対して優しく接しているのを見ると、嫉妬の発作で気がつかないうちにふてくされた態度をとってしまうことも。自分の態度で職場の雰囲気を悪くしたとしても、「私がそんな態度をとっても当然でしょ!」と思ってしまいます。

「嫉妬の発作」が起きるのは、「注目が奪われる!」という感覚があるから。意識的には「自分だけを見てほしい!」と思っていなくても、嫉妬は動物的な発作なので、「奪われる!」ということに反応して、自動的に発作が起きるのです。

なぜパワハラ上司は「謙虚な人」「若い人」「弱者」に嫉妬するか

「いやいや、だからと言って上司から嫉妬されるような優れたものなんてもっていないけど……」と思うかもしれません。しかし、嫉妬されやすいのは、単に「優れているから」だけでなく、「弱者」「若い」「謙虚」などの特徴があるのです。

動物の本能として、「弱者」を淘汰しようとする行動をとります。「弱者」は、自分の存在を脅かします。なぜなら、「弱い者は自分よりも大事にされる」から。弱者だと認識すると、動物的な本能が反応して、淘汰しようとしてしまうのです。

若い人が嫉妬されやすい理由は、「自分よりも経験がない」「自分より知識がない」ということで下に見られているから。そんな自分よりも下の存在が、周りの注目を奪っていく、と感じられたときに、嫉妬されてしまうのです。