成長株を買って億万長者になった、なんてうらやましい話があるが、投資は何も株だけではない。素人でも手軽に楽しみながらできる投資術を伝授する。

投資の3条件「安い手数料、毎月積み立て、再投資型」

難しそう、手間がかかりそう、リスクが怖いなどのイメージから、金融商品への投資を躊躇している人も多いだろう。確かに、世の中にはたくさんの金融商品があふれており、知識がなければ手を出しにくい雰囲気ではある。

写真=iStock.com/AndreyPopov

しかし、初心者であってもやり方次第で、資金を定期預金においておくよりも効率的に増やすことができるものもある。なかでも、すぐに始めやすいのが「投資信託」だ。

投資信託とは、投資家から集めたお金を投資のプロであるファンドマネジャーが運用し、その成果に応じて収益を投資家に分配するというもの。株式のように自分で銘柄を選んだり、値動きに応じて自ら売買を行ったりする必要はない。最初に購入する投資信託を決めてしまえば、その後はほったらかしておいても問題ない。「勝手にお金が成長する仕組み」が簡単につくれるというわけだ。

著書『はじめての人のための3000円投資生活』が人気を呼んでいるファイナンシャルプランナーの横山光昭氏は、自身も投資信託を購入し、約10年で利率3%以上の成績を上げているという。その独自の投資法について聞いたところ、3つのポイントを教えてくれた。

「まず手数料が安いこと。これが大前提です。加えて毎月積み立てで購入すること、そして再投資型であること。この3つが基本です」(横山氏)

手数料を安く抑えるために横山氏が推奨するのは「インデックスファンド」だ。「日経平均株価」「TOPIX」など市場平均(ベンチマーク)と同じような動きをするファンドで、自動的に投資先が選ばれるため、手数料が安く抑えられる。では、インデックスファンドなら、どんなものでもいいのか。

「インデックスファンドを買う場合は、外国株式、日本株式、外国債券、日本債券の4つをそれぞれ買って分散投資することが鉄則となります。基本的に反対の値動きをする株式と債券を同時に持つことでリスク分散でき、長期運用しやすくなるからです」(同)

一般的に、外国株式、日本株式、外国債券、日本債券の順にハイリスク、ハイリターンだと言われている。利率3%を目指すなら、少しリスクをとった株式60%:債券40%という形が望ましいと横山氏は言う。

「私が思う理想のポートフォリオは、国内株式投信30%、先進国株式投信30%、国内債券投信20%、先進国債券投信20%という割合です。時間が経つと保有比率が変わってくるので、必要に応じて修正することが大事です」