本当のお金持ちはどんな基準で住む場所を選ぶのか。不動産事業プロデューサーの牧野知弘さんは「代々のお金持ちが『地盤の良い高台』を好むのに対して、美容整形外科医や国際弁護士といった『ネオ富裕層』は、麻布や六本木に群れて暮らしている」という――。
※本稿は、牧野知弘『不動産の教室』(大和書房)の一部を再編集したものです。
昔ながらのお金持ちが住むエリア
代々お金持ちがゆったりと住んでいる街には特徴があります。彼らは地盤がしっかりとした比較的高台の土地を好みます。
東京でいえば、千代田区の番町が代表的です。番町といっても一番町から六番町まであります。
一番町はやや谷底。二番町、六番町あたりは高台で住環境が良いです。昔からのお屋敷街で落ち着いた街並みが続きます。文京区の小日向、西片、本駒込六丁目あたりも昔からの富裕層が好むエリアです。
大名屋敷などがあったところでいえば、城南五山と呼ばれる島津山、池田山、花房山、御殿山、八ツ山も高級住宅街に数えられる旧来からの富裕層が住むエリアです。
島津山は品川区東五反田1、3丁目の旧島津公爵邸のあった高台にあり、池田山と呼ばれる同4、5丁目は備前岡山藩の池田家の下屋敷があった高台、花房山は上大崎3丁目の高台で明治から大正にかけての外交官、花房義質氏の邸宅があったところ、御殿山は北品川3丁目から6丁目付近で徳川将軍家の御殿があった高台、八ツ山は港区高輪3、4丁目付近の高台で三菱財閥の岩崎家の別邸があったところです。
駅から遠くても問題ない
同様に関西でも芦屋市の六麓荘、箕面市の百楽荘、西宮市の苦楽園など高級住宅街はたいていが戸建て住宅を中心とした街です。
いずれも高台にあって地盤がよく、見晴らしのよさが特徴です。
現代からいえば駅からは遠く、徒歩で駅までアクセスするにはやや不便さを感じる立地でもあります。でも、クラシカルな富裕層は、そもそも駅から電車に乗ることは稀です。運転手付きの車で移動しますし、買い物は御用聞きの世界です。


