思考、判断、行動いずれもスピード第一――。企業トップの強力な駆動を社内外に伝達するには、“時間差ゼロ”でその頭と手足になり切れるストイックな黒子役がぜひとも必要だ。

いくらでも“悪者”になります

日産自動車  
佐藤直子氏

秘書にとって大切なのは、どのお客様に対しても、同じように平等なサービスを提供することです。そのため、担当役員との面会スケジュールの優先順位についてはいつも悩み、秘書になって26年経った今も慣れません。海外の要人などVIPとのアポイントメントは最優先になりますが、通常は役員の意向を聞いたうえで、希望日が近い方からスケジュールをお入れしていくことになります。

お断りしなければならないときも、あります。その場合も、相手の立場に立って対応します。お待たせするのは失礼だからと、すぐにお断りする方法もあります。でも、先方に必ずしもこちらの意図を汲んでいただけるとは限りません。もし、心証を害せば、役員、さらには会社のイメージにも影響が及びます。

そこで、わたしの場合、お断りするとわかっていても、秘書がクッションになっていったん保留にさせていただき、そののち、今はどうしてもお受けできないこと、時期をずらせばお応えできるかもしれないことをお伝えします。そして、3カ月後ぐらいに折を見て、こちらからご連絡を差し上げます。