大人気のワンコインランチだが、安さを最優先にするあまり、量や品数、食材の質などを落とさざるをえないという店も多い。そこで私は、「ツーコインランチを狙え!」と提唱している。500円玉+100円玉。つまり600円以内で食べられるランチメニューのことだ。コインを1枚追加するだけで選択肢が一気に増えて味や量もアップ。特に狙い目なのが、500円のメニューがありながら、わざわざ600円でも提供している店だ。質や量を無理に落とさず、より高いコストパフォーマンスが期待できる。

例えば、好きなネタを7つ選べる「回転寿司 活 大江戸 新宿駅前店」の「お好み寿司丼」は味噌汁付きで500円。さらに「サラダセット」なら、通常136円の海鮮サラダも付いて、ツーコインの600円となる。赤坂見附駅そばの「慶賓樓」は、本格派の中華料理店でありながら、毎日2~3種類の日替わり550円ランチが食べられる。高田馬場の「串かつ えいちゃん」は、新潟産コシヒカリのご飯とみそ汁がおかわり自由の「ハムカツ・アジフライ定食」「コロッケ・アジフライ定食」など6種の定食をワンコインで出しているだけではない。なんと、串かつ4本に加え、紅生姜かつとカボチャかつが、ドッカーンとのったボリュームたっぷりの「串かつ丼」が580円。店側の「美味しいものを手頃な値段で食べて満足してほしい」という意気込みや真心が伝わってくる。(※2010年雑誌掲載当時)

たまには「プチ贅沢」をしたいという方には、首都圏を中心に展開する「鍋ぞう」のランチバイキングをお勧めしたい。牛肉と豚肉のしゃぶしゃぶ、またはすき焼きが90分間食べ放題、それにサラダにもなる野菜バーとドリンクバーもついて1280円。手頃な価格ながら、シックな雰囲気でゆったり食事ができる。

開拓を進めていけば、激安ランチを提供する店はいろいろと見つかるはず。店の個性や特色を知って賢く利用すれば、節約ランチも十分に楽しめるだろう。

※すべて雑誌掲載当時

ランチ探求家 
柳生九兵衛

TVチャンピオン『B級グルメ王選手権』第4代、第5代B級グルメ王。グルメコメンテーターとしてテレビなどで活躍。著書多数。
(構成=山川 徹 人物撮影=小倉和徳 料理撮影=牧田健太郎)
関連記事
なぜ居酒屋ランチは味やボリュームのわりに安いのか
100円ショップで100円以上価値のあるもの、ないもの
300円ランチの満足度
ランチ代:1000円で1週間を乗り切る曜日別節約法
ポイント20~30倍!? ネット通販をさらにお得に