インデックス型でも十分なリターンが期待できる
それに対して、インデックス型の場合、同じ株価指数に連動するファンドであれば、運用会社や運用担当者が違ったとしても、リターンの差はほとんど生じません。
したがって、どの運用会社のインデックス型ファンドを買っても、結果はほぼ同じです。
正直なところ、これまでの米国株式市場のように、市場全体が値上がりし続けているような場合は、インデックス型でも十分なリターンが期待できます。
でも、日本のように国の経済が成熟し、かつての高度経済成長期のような経済成長が期待できないような国においては、そのなかでも成長が期待できる個別企業を選んで投資する必要があるので、どちらかといえば優秀な運用能力を持つ運用会社を探して、そこが運用するアクティブ型ファンドを買ったほうが、長期的には高いリターンが実現する可能性があるとも考えられます。
どちらにすべきかは、本当に答えが見つからない問題ですので、最終的には投資信託を買って自分の資産を運用する個人が、自分の趣味嗜好で選んでいくしかないでしょう。
投資信託の運用コストに注意しよう
株式を売買するのに委託手数料というコストがかかるのと同じように、投資信託で運用する時もコストがかかります。
投資信託のコストは、おおまかに「購入時手数料」と「信託報酬」の2つがあります。「購入時手数料」は、投資信託を購入する時に購入金額に対して1%とか2%が取られます。たとえば、10万円分購入した投資信託の購入時手数料が2%だとしたら、その金額は2000円になります。これは投資信託を買う人が、その投資信託を販売している販売金融機関に対して支払うものです。
そして、もう1つの「信託報酬」は、ファンドを保有し続けている期間に応じて、年率換算したものが自動的に引き落とされていきます。仮に信託報酬率が年2%だとしたら、その365分の1日分が日々、購入資金から徴収されていくのです。
これらのコストは基本的に、低率であるに越したことはありません。ちなみに最近は、購入時の手数料を取らないタイプの投資信託が増えています。また株式の場合は、買い付ける時だけでなく売却時にも手数料がかかりますが、投資信託は解約時手数料を取らないファンドが大半です。
信託報酬率は、こちらも昨今ではかなり引き下げ傾向にあります。特にインデックス型(運用成績が日経平均株価などの株価インデックスに連動することを目指した投資信託の場合)は、年率0.2%前後と極めて低率に設定されているものが増えてきています。
基本的に、インデックス型の投資信託は全体的に信託報酬率が低くなる一方、アクティブ型(株価インデックスを超える運用成績を目指すタイプの投資信託)は、信託報酬率も高めに設定される傾向が見られます。
といっても、昔に比べると全体的に信託報酬率は低めになっていて、アクティブ型の投資信託でも年1%前後に設定されるものが増えています。
以上が、投資信託の大まかな仕組みです。
何事も「習うより慣れろ」。今、投資は数千円からチャレンジできる時代ですから、ぜひ、資産形成の最初の一歩を踏み出してみてください。