「小さな工夫」であなたの苦しみはなくなる
それは、決してむずかしいことではありません。
・自分や周囲をみる「視点」をちょっと変えてみる
・毎日の中で「生活習慣」を少しだけ見直してみる
・自分の発する「言葉」を新しくしてみる
そんな小さな工夫の積み重ねで、私たちは結構、簡単に変われるのです。
自分を認められるようになると、いつも胸の中にある「私なんて」という気持ちが減り、ラクに生きられるようになります。「自分を変えなきゃ」と焦らなくなるので「今」に集中でき、パフォーマンスが上がります。
実は、私自身も謙遜さんでした。だから実感をもって、そうお伝えできます。
後ほどくわしくお話ししますが、私は20代でクリニックの院長になりました。
他院はベテラン院長ばかり。その中で「未熟者ですから」とへり下っているうちに、自分を卑下する癖がついてしまったのです。
しかし、精神医学の知見や心理学の研究に基づいたさまざまな手法を取り入れ、生き方を変えることができました。それも無理に変わろうとするのではなく、できる範囲で小さな工夫を続けるうちに。
気がつくと、「今の私で大丈夫!」と心から思えるようになっていました。
この本では、私や患者さんが実践したテクニックも交えて、日常で取り組んでいけるさまざまな方法をお伝えしていきます。
自分を認められると世界が変わってくる
もしかすると、今あなたは「こんな私が、自分をほめるなんてできるのかな」と半信半疑かもしれませんね。
また、「変われなかったら嫌だな」と不安を感じているかもしれません。
どうぞ、その思いを大切にしながら読み進めていってください。
無理矢理、自分を変えようとする必要はありません。
これからご紹介するテクニックや考え方の中で、「これならできそうだな」「この視点はいいな」と感じるものを選んで実践していただければ十分です。
そうするだけで少しずつ変化し、自然なペースで進んでいけます。
いつのまにか、自分を責めたり自己卑下したりする回数が減り、「まあ、こんなこともあるよね」とおおらかに現状を受け入れられるようになります。
あるいは、新しい自分の一面をみつけて嬉しくなったり、嫌なことから早く立ち直れたりします。
それだけではありません。周囲の人のいいところにも気づきやすくなり、人間関係がスムーズになります。
ありのままの自分を認め、ほめられるようになると、毎日が晴れやか。
曇りや雨の日、時には嵐の日があっても、自分を信じ、前を向いて進んでいけます。
人一倍優しい謙遜さんに、そんな毎日が訪れるように。
願いを込めて、これまでの臨床経験や研究に基づきながらお話ししていきます。
あなたは今まで、十分がんばってきました。
だから気楽に、肩の力を抜いてページをめくっていってくださいね。