耳鳴りやめまいには、舞茸、バナナ、炭酸水がおすすめ
耳鳴りやめまいに効果が期待できる食べ物も挙げておきましょう。
耳鳴りで処方される「ストミン」という薬は、ニコチン酸アミド(ビタミンB3やナイアシンとも呼ばれます)とパパベリン(平滑筋に作用して血管を拡張します)の配合剤です。食材なら、舞茸やバナナにビタミンB3はたくさん入っています。3時のおやつにはバナナがおすすめです。
耳からくる回転性めまいで処方される「ベタヒスチンメシル」という薬は、食材でいえばベーキングパウダーや炭酸水のようなものと思っていいでしょう。めまいが起きそうな日は、ランチに炭酸水と蒸しパンがおすすめです。
デンオン性難聴を改善するには「血行をよくすること」がポイントです。つまり、血管・血液によくない食べ物は、耳にもよくない食べ物だということです。糖分・塩分・油分はどれも身体に必要ですが、多過ぎると血管に障害を与え、血流を悪くします。
食べ物に含まれる栄養素はすべて、血液を通して全身の細胞に届けられます。耳の細胞も同じですから、血液を通して、よい栄養を自分の体に与えるようにしてください。暴飲暴食は、耳も傷めることになります。
耳のマッサージを勧めた患者さんから、「お酒を飲むと耳が赤くなるんですが、それって耳の血行がよくなるということですよね? お酒は耳にいいってことですよね?」と聞かれたことがあります。残念ながら、勘違いです。耳の中の粘膜はアルコールで腫れるので、逆効果です。
あきらめがちな耳の衰えこそセルフケアが必要
身体のあちこちで老化は進みますが、どれも徐々に衰えるので、私たちは不便に慣れていきます。とはいえ、たいていの人は、目が衰えれば眼科を訪れて白内障の手術を受けたりします。ところが耳が衰えても、耳鼻科を訪れて相談する人が少ないのです。目も耳も大切な感覚器なのに、なぜでしょう。
徐々に衰え、徐々に不便になっていくことに「なんとなく気づいている」人は、「なんとなく慣れてしまう」ものです。実際の生活の質がかなり落ちているのに、「高齢なんだから、こんなものだ」とあきらめているのです。
目のように角膜移植や白内障手術のような劇的な治療法が耳にはないことも大きな要因です。「人工内耳」という人工臓器を付ける手術はありますが、課題もあって白内障手術のように普及していません。劇的な治療法がないからこそ、早い段階での耳のセルフケアが必要なのです。