3メガバンの新卒採用は5000→1200に激減

メガバンクの30歳時点での離職率は2~3割程度と言われており、入行10年以内に数百人が去っていくことになる。

常に数字に追われるストレスフルな環境に独特な企業文化も相まって、合わない人にとっては地獄のような環境となっており、体育会出身者を多くとっているのにもかかわらず退職する者は後を絶たないのだ(私も耐えかねて退職した人間の1人だ)。

そのため、玉石混交になることは承知の上で、とにかく人手を増やすことが求められた。

総合職であっても、MARCHや関関同立からの就職者は多く、一芸に秀でた日東駒専卒も採用された。

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こうしたメガバンクの大量採用は2016年にピークを迎える。その後は店舗の統廃合や事務の効率化、ネットバンキングの普及などを背景に新卒採用を大幅に絞るようになった。2024年入行の採用計画はメガバンク3行合計で約1200人と、ピーク時の5000人超と比べて4分の1以下となっている。

「MARCHにコンサルされたくない」という声も

それと入れ替わるように、「総合コンサル」の急拡大が始まった。エリートにのみ開かれていたはずのコンサル業界は、案件需要の増加に伴う大量採用により、すっかり一昔前のメガバンクのようなポジションへと姿を変えた。

大企業を中心としたDX需要は今後も継続することは確実であり、総合コンサルの大量採用傾向は今後もしばらく続くものと予想される。

一方で、採用大学の「幅」が広がったことから、最近ではコンサルタントの質に不安を覚えるクライアントも増えてきているのだという。中には、「大学を出たばかりの新卒に何をコンサルできるのか」「MARCH卒にコンサルされたくない」といった過激な声も聞かれる。

「エリート」の象徴であったコンサルの地位は、揺らぎつつあるのかもしれない。

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