助言をどれだけ受け入れられるか

誰かが勇気を出してアドバイスしてくれたときは、それを受け入れよう。「せっかく言ってあげたのに、あれは完全に時間のムダだったと感じるのはいやなものだ」と、デタートは言う。

「フィードバックをくれた人に実際に謝意を伝える必要がある。また、彼らが解雇されたり遠ざけられたりはせず、逆に昇進するのを、他の部下たちが目にすることが重要だ」。

フィードバックをきちんと受け取り、それを踏まえて行動を変えられる人間であることを、部下に実証しよう。それは部下の間で語り草になって、より多くの部下が建設的なフィードバックをくれるようになるだろう。

「おべっか使い」に惑わされるな

フィードバックが自社の文化に組み込まれていない場合、もしくはほとんどの部下が100%率直には語ってくれないだろうと思われる場合には、本当のことを言ってくれる信頼できる人物を1人か2人見つけようと、デタートはアドバイスする。部下でもよいし、同僚でもメンターやコーチでもよい。それが誰であれ、その人が適切なデータを入手でき、あなたと日常的に付き合っている人々から話を聞けるような体制をつくろう。

自分の聞きたいことだけを言ってくれる「おべっか使い」から話を聞くだけでよしとしてはいけない。

匿名で意見を求めてもよい

部下に率直に語ってもらうのはきわめて難しい場合がある。その困難を乗り越える1つの方法が、360度評価を行ったり、コーチを使って匿名のフィードバックを集めたりすることだ。たとえ匿名でも、上司はきちんと対応する必要がある。

ヒルによれば、フィードバックから何を学んだかを上司が公の場で語れば、それは部下に対して、自分は批判に耳を傾ける人間だというメッセージを送ることになる。「上司がそれを行ったら、部下はもっと気楽に上司に直接本当のことを言うようになる」と、ヒルは言う。

その実例として、HCLテクノロジーズのCEO、ビニート・ナイアが、自身に関する360度評価を社内イントラネットに掲載して、幹部たちに同様にするよう促したことを挙げている。これによって人々はナイアがフィードバックを真剣に受け取る人物であることを知り、それまでよりはるかに気楽に彼に直接フィードバックをくれるようになったと、ヒルは述べている。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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