「部下の不安」を認識できるか

上司は部下が気楽にものを言える環境を整える必要があると、ヒルは言う。部下の不安を打ち破る必要があるのだと。フィードバックをもらいたいと言葉ではっきり伝えるべきだと、デタートはアドバイスする。

「私自身を含めて人はみな誤りを犯すものだ。だから、気おくれしたり、恐れたりせずに私の誤りを指摘してほしい」と、部下に伝えよう。自分が向上するために彼らからのフィードバックが必要なのだと説明しよう。

同時に、厳しいフィードバックに耳を傾けることが、どれほど不快な経験になりうるかも認識する必要がある。

「批判されると不愉快な気分になるのが人間の常であり、どれほど高い地位にいようと、上司もまた人間だ」と、ヒルは言う。それでも、不愉快な気分になるのを恐れてフィードバックを敬遠してはならない。

人事評価以外でも意見を求めよう

人事評価の時期だけでなく、常時フィードバックを求めよう。

「あらゆる機会を利用して情報を積極的に集めたり求めたりする必要がある」と、ヒルは言う。

たとえば次のような言い方をすればよい。

「これはわれわれが一緒に設定した目標だが、君がこの目標を達成するのを手助けするために、私は何をすればいいかね」

ただし、一度求めただけで部下が率直に語ってくれると思い込んではならない。「しばらくそれを続ける必要がある。そうすれば情報が入ってくるようになり、もっと的を絞った質問ができるようになる」と、ヒルは言う。