ここで道はふたつに分かれます。

もし、そこまで英語を習得することにこだわっておらず、何かしら外国語を学んでみたいという人がいたら、いったん英語以外の言語にトライするのもありでしょう。これが1つめの道です。

学びやすさで言うと、意外にもトルコ語は文法的に日本語と似ているところが多く、比較的習得しやすい言語だと思います。同じ漢字文化である韓国語、中国語、あるいは文法が似ているヒンディー語なども比較的学びやすいといえます。

まず、こうした言語をひとつ学んでから英語に着手すれば、案外、すんなり習得できるかもしれません。

私の場合は「トルコ語(もしくは韓国語、中国語、ヒンディー語)→英語」ではありませんでしたが、ひとつ新たな言語を習得するごとに、また新たな言語を習得するハードルは低くなると実感しています。

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成功体験が自信につながる

なかにはアラビア語のようにものすごく複雑な言語もあれば、インドネシア語のようにシンプルな言語もあります。でも、どの言語でも学び方は同じです。

今までの経験上、「すべきこと」は明確で、なおかつ「すべきことをした結果、習得している自分」のイメージも明確なので、その言語を使えるようになっている近い未来を信じて着々と学習を進めていくことができます。

当然ですが、先にどのような言語を学んでも、英語と日本語の差異そのものは変わりません。

ただ、ひとつでも外国語を習得すると、「言語を習得する」ということ自体が自分にとって未知のものではなくなります。すでに1回は経験済みの「勝手知ったるもの」になるといったらいいでしょうか。

学ぶ言語が変わっても通用するコツや勘所がつかめる。そこでの成功体験が自信につながり、日本人にとっては難易度の高い英語のような言語でもスムーズに習得できるようになるのです。

英語を勉強しても聴き取れない、話せない理由

一方、「やはり、まず英語」という人もいるでしょう。

あくまでも最初に英語を習得する、これが2つめの道です。

「でも、どうしたらいいのかわからない」「英語を自在に使えるようになるなんて、やっぱり自分には無理なのかもしれない」――という方に言いたいことがあります。

どうか、もう英語を怖がらないでください。本書で、英語は日本人にとって難しい言語であると述べました。であるにもかかわらず多くの日本人は、そんな学びにくい英語を何年間も学んだ経験があるのです。

しかも日常会話くらいなら、中学英語レベルの知識で十分通用します。

つまり中学校で英語の授業を受け、テストで及第点を取ってきた人であるならば、すでに英語の素地は十二分にあるといえます。日本人にとって英語は学びづらい言語である中で、そこまで身につけていることに対して、まず自信をもってほしいと思います。