中学受験からGMARCHはコスパが悪い
中学受験か高校受験かを考えている親御さんの中には、「最低でも最終学歴はGMARCHくらいになってほしい」と考える方も多いと思います。
GMARCHとは言わずと知れた学習院・明治・青学・立教・中央・法政の頭文字を取った大学群で、「高学歴の最低ライン」として知られています。
最終的にGMARCHくらいの学歴を獲得してほしいと考えた場合、中学受験はオーバーワークでコスパが悪いというのが私の考えです。
GMARCHは年々推薦の枠が増えていることや、少子化の影響で一般入試の倍率が今後も下がり続けると考えられています。そのため中学受験で苦労して、中高一貫でガチガチに対策しなくても受かるでしょう。
また中学受験でGMARCHの付属校に合格し、「最低でもGMARCH」の権利を押さえておきたいと考える方もいるかもしれませんが、中学受験の段階で大学進学先を決定してしまうのは時期尚早でしょう。
中学受験でGMARCHの各付属校に受かる能力があれば、大学受験時にはさらに上位の早慶や東京一工・旧帝へ進学できる可能性も十分あります。
公立ルートならかなりの数の生徒が東大や早慶を狙える
実際、GMARCH付属校の中学受験の偏差値を見ると、東大合格者10人~、早慶合格者100人~といった大学受験実績を誇る進学校と肩を並べていることがわかります。
例えば、明大明治男子の日能研偏差値は60で、城北中、本郷中、芝中といった進学校と同じレベル帯ですが、これらの進学校は例年10名程度の東大合格者を輩出し、早慶に至っては200名程度の合格者を出す年度もあります。
進学校では大学受験という荒波を乗り越える必要がありますが、GMARCH附属校合格者のポテンシャルを考えると、かなりの数の生徒が東大早慶を狙えるはずだということです。
さらにGMARCHに受かりやすいのは、実は私立中高でなく公立高校、というデータもあります。明治大学の付属高校を除いた進学者数ランキングでは、1位神奈川県立川和高校、2位神奈川県立柏陽高校となっており、ともに公立進学校です。
理由としては明治大学などのGMARCH文系入試では、私大英語と呼ばれる英語の攻略が鍵となっており、高校入試で英語を勉強した公立進学校組が(入試で英語を経験していない)中学入試組に引けを取らないから、と考えられます(東大や上位医学部クラスになると中高一貫の方が有利というのは否めませんが)。
少子化と一般選抜以外の入試方式導入(総合型選抜など)によってGMARCHの一般入試難易度が年々下がっていくことも予想され、GMARCHに入るなら公立高校から進学するのが最もコスパの良いルートと考えられます。
高校受験で英語を含めた5教科を極め、なるべく難易度の高い公立高校へ進み、大学受験においては「英国社」の3科目に絞った対策をすることで、GMARCHの合格には十分手が届くと考えられます。