「ブラック企業のやり方そのもの」

宝塚歌劇団と阪急阪神ホールディングスの記者会見に、ネット上では厳しい意見が相次いだ。その一部を紹介しよう。

「とりあえず謝ります、合意しましたよ、もういいでしょう。とでも言いたげな会見だった」

「情報を隠蔽した役員の退任がなければ、宝塚歌劇団の公演再開は無責任で、宝塚ファンをバカにしていると考えます。何をしてもファンはついてくるという思い上がりが、殺人歌劇団を作ってしまった」

「結局、パワハラをした上級生はどうなったのですか? 今後、このような不幸をなくすのであれば、やったことの責任をきちんと取らなければならない」

「上級生って、生徒みたいな言い方が未成年者みたいに見えますが、普通に成人している大人ですから、加害者は、きちんと処罰されるべき」

「こんなの、ブラック企業のやり方そのもの。宝塚歌劇団は、ここまで落ちぶれたの? はっきり言って、呆れ果てています」

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関西が誇るブランドが崩壊しつつある

こうした意見は無視できるものではない。宝塚歌劇団と阪急阪神グループという全国的なブランドが、いま崩壊の危機に瀕していると理解するべきだ。

「遺族との合意をしたのだから」と、宝塚歌劇団は公演の再開に舵を切ろうとしている。経営陣も、加害者の上級生も責任を取らないで、これで、歩を進めていいのだろうか。

いじめに関与した事実が判明しても、スターたちに、早く宙組の舞台に立ってほしいと願っているファンがいるかもしれない。しかし、責任も取らないで、厚顔無恥のまま舞台に立っても、自らのお金と人生を注ぎ込んできた熱狂的なファンは喜ぶが、新しいファンの獲得には寄与しない。白けるだけだろう。

遺族である「母親の訴え」を、遺族側弁護士の記者会見で代理人が代読した。本稿の末尾に、そのメッセージ全文を掲載する。宝塚歌劇団と阪急阪神グループの役員と社員、関係者は、このメッセージをあらためて心に刻んでほしい。