宝塚歌劇団が一転、パワハラを認めたが…
宝塚歌劇団の宙組に所属していた劇団員Aさん(享年25)が急死した問題で、遺族側の代理人弁護士が2月27日、東京都内で記者会見を開きました。この前日、歌劇団は歌劇団を運営する阪急電鉄の持株会社、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が2月29日付で、宝塚歌劇団と宝塚音楽学校の理事を退任すると明らかにしていました。
遺族の代理人弁護士は「交渉経過、現段階を正確にみなさんにお伝えする必要がある」とした上で、「角会長が劇団の理事退任の意向を示したとの報道が(2月26日に)されていますが、遺族側としては、同氏が劇団理事を退任することが、同氏が責任を取ることを意味しないと考えています」と強調しました。
そして、Aさんの双子の妹で、宝塚歌劇団の別の組の劇団員Bさんのコメントが発表されました。そこには「宝塚歌劇団は日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です」「姉の命の重さを何だと思っているのでしょうか」など決死の訴えが綴られていました。
「清く正しく美しく」を掲げる学校で起きた裁判
宝塚音楽学校では過去に「タカラヅカいじめ裁判」が起きています。2008年4月に入学したSさんは、同年11月に音楽学校を退学させられています。
山下教介氏の著書『ドキュメント タカラヅカいじめ裁判』(鹿砦社)によると、Sさんは壮絶ないじめを受けていました。寮や学校でモノがなくなると、Sさんの仕業にされ、コンビニで万引きをしたと犯人扱いされ、宝塚大劇場で観劇中に観客の財布から現金を盗んだと糾弾され、同期生全員から除け者にされ、その末に学校から退学させられました。
裁判所は、退学は不当と判断しましたが、学校側は裁判所の決定に従わず、裁判を長引かせ、13人の生徒を法廷に立たせました。いじめた側の生徒の言い分だけを聞き、第三者の証言は無視。生徒たちの証言に信憑性があるのか確認もせず、証拠もないまま、2008年12月から2010年7月まで裁判を続けたのです。