「増税」と「規制強化」が経済復活の機会を潰してきた
岸田首相は令和3年の所信表明演説で「新自由主義」から「新しい資本主義」への転換を謳ったが、岸田首相からして根本的な認識に誤りがあるのは明らかだ。日本には減税や規制廃止による小さな政府を求める新自由主義など存在したことはない。政府と利権者が規制を食い物にする縁故主義が蔓延しているだけだ。その象徴が岸田首相をはじめとする世襲議員の存在だ。彼らは過去からの利権と因習を温存する存在であり、可視化された縁故主義による腐敗そのものなのだから。
安倍政権以後に実施されてきた日銀による異次元の金融緩和政策は、既に10年継続してきた。日本銀行が規格外の金融政策を継続せざるを得なかった理由は、本来は何度もあった日本経済の立ち直りのチャンスを、時の政権が増税と規制強化で潰してきたからだ。安倍政権は中央省庁と利権勢力(社会保障関連も含む)による増税圧力に屈し、公明党・旧民主党との三党合意に基づいて消費税大増税を2回も実施してしまった。そして、その度に経済回復に水が差されてきた。
岸田政権の「新たな増税」を許してはいけない
また、成長戦略の切り札であった国家戦略特区による規制改革はモリカケ問題によって機能不全に陥り、腐敗の温床でしかない官民ファンドに主役の座を取って代わられてしまった(その結果はクールジャパン機構など散々な結果となっている)。そのため、本来は短期間で終了するはずであった日銀の異次元緩和をダラダラと継続することになり、生産性が低い多くのゾンビ企業が延命されて、企業と労働者の生産性(ひいては賃金)を改善する機会を逸してきた。
岸田政権は小規模かつ単発の所得税減税でお茶を濁そうとしている。そして、防衛増税や子育て増税(子ども・子育て支援金)などの新たな増税を狙っているが、この流れを許してはいけない。さらには、金融資産課税論の議論もくすぶり続けており、新NISAで国民の財産が美味しく育ったところで摘み取られる可能性もある。断固として増税を阻止し続けることが大事だ。
今、我々が取るべき政策は「減税」である。現状から更に「減税」を矢継ぎ早に実行し、日本の景気復活の足腰を確かなものにする必要がある。そのため、今我々が抱えている様々な社会的課題に「減税」が有用な選択肢となるかを示していく。