お金と時間には、決定的な違いがある
実はこの公式のインプットやアウトプットは、お金に限りません。時間や空間、人員、手間など、成果を生み出す原料となるものすべてにあてはまります。
そう考えると、時間とお金は性質が近い。リソースという意味ではほぼ同じです。
お金と時間は、どちらも先の物事の価値を測る公式を適用できます。だから公式が頭に入っている人はお金を効果的に使えるし、時間も効果的に使えます。
お金の使い方がうまい人は、休憩時間も投資的です。「この時間を休憩に充てるなら、しっかりと休んで時間の価値を高めよう」と、お金の投資効果を考えるかのように時間を取り扱います。逆にお金を有効に使えない人は、時間を消費的に使って、「スマホをいじっているうちに休憩が終わってしまった……」と後悔しかねない。この差は大きいのです。
ただし、お金と時間には決定的な違いがあります。
お金は増やせますが、時間は増やせません。お金は人に渡したり貯金することができますが、時間は人に渡したり貯めておくこともできません。お金と違って、時間は1人1日24時間。足りなくなったからといって、人から時間をもらって自分の時間を30時間にすることは不可能です。
また、お金は戻せますが、時間は戻せません。お金でモノを買った場合、モノをふたたび換金することは可能ですが、時間は1度使ったら取り戻せない。
その点でも、時間はお金以上に貴重だといえます。
時間とお金の効果的な使い方はよく似ていますが、時間はお金より大切であり、ムダづかいできないということは意識しておく必要があります。
(※『ビジネススキル・イノベーション』第7章 時代の潮流をつかむ(プレジデント社刊)より)