半導体装置メーカーも明暗が分かれる

汎用型の半導体メーカーでは、米テキサス・インスツルメンツ(TI)の業績懸念が高まった。産業機械や自動車向けのチップの需要回復に時間がかかる。一方、独インフィニオンはパワー半導体など需要の高まる分野で製造技術を磨き、事業運営の効率性を引き上げている。

半導体製造装置メーカーでは、オランダASMLの収益が拡大した。米国の対中半導体輸出規制の強化、中国経済の低迷が鮮明にもかかわらず、同社の受注は過去最高を更新した。ASMLは世界で唯一、極端紫外線(EUV)を用いた露光装置を供給する。生成AIの利用で新型のGPU、CPU、メモリーデバイスの需要が増加したことは大きい。

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一方、中国の半導体製造装置メーカーの業況は厳しい。不動産バブル崩壊による中国経済の低迷に加え、米国が日蘭と協力して対中制裁を強化したことは重要だ。

長らく君臨してきたインテルは生き残れるのか

短中期的に、生成AIは世界全体の産業活動を押し上げる。先端分野の需要をより効率的に獲得すべく、他社との関係強化などを急ぐ企業は増える。先端と汎用型での需要の強弱など、半導体関連企業の優勝劣敗は鮮明化するだろう。業界再編など、半導体関連分野の構図が大きく変化する展開も想定される。

足許、インテルはTSMCに3ナノメートルのCPU、GPUの製造委託を増やすとみられる。今年、インテルは、パソコン搭載のAI対応チップの供給を一段と強化する方針だ。エヌビディアやAMD自前でAI対応チップの設計開発を進めるマイクロソフトなどへの対抗意識はかなり高いとみられる。

インテルは、台湾の聯華電子(UMC、世界第4位のファウンドリー)との提携も発表した。UMCから回路線幅12ナノメートルの製造技術の習得を目指す。ファウンドリー事業の強化だけでなく、インテルはTSMCとの分業体制を検討しているとみられる。TSMCにとっても、先端分野の製造に集中できたほうが事業運営の効率性は高めやすい。