片づけはコミュニケーションツールにもなる

私がよかったと思うのは、片づけを始めたことで「家族との会話が増えた」「夫や子どもが何を思っていたのかわかった」という話を卒業生たちから聞く時です。とてもうれしそうな顔をして、「本当のところがわかり合えた」と話してくれます。家族の気持ちを聞けて、自分の思っていることを言えたということが大切です。ひとつの答えにはたどり着かないかもしれません。でも、家族で起こっている問題の原因がわかることで、家族みんながスッキリするのです。

西崎彩智『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)

家庭内のコミュニケーション不足は、片づかない最大の要因です。コミュニケーションが増えると、ただ部屋がキレイになるだけでなく、家族がチームになれます。そして、その先に笑顔と「ありがとう」の回数が自然と増えていきます。家族みんなが「わが家がいちばんいい」って思えること。これが私のめざす片づけのゴールです。

また、片づけたことをうれしそうに話してくれる卒業生の顔は、受講前とは別人のようにやわらかい表情で、輝いています。自分を信じている人の顔です。片づけを通じて本来の自分を取り戻した人の顔です。

私は、このような人を増やしていきたいと考えています。家の片づけや家事にとらわれず、自由に自分の人生を歩けるような人を。ママだけが頑張る、家族のひとりだけ負担が大きい、という日本社会にありがちな現象を止めたいのです。

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