株価が下がったときの3つの選択肢
さて、株価の急落時にカルタくんはどうすればいいのでしょうか?
株価が購入時より下がる「元本割れ」は、初心者にはショックが大きいものです。人は、利益を得るよりも損失の苦痛のほうが2倍以上大きく感じるようです。行動経済学では「プロスペクト理論」といいます。人はできるだけ損を避けようとする心理的な傾向があるため、そもそも投資において合理的な判断をくだすのは苦手なのです。
それを念頭に置いたうえで、損失に向き合ってみましょう。今回は3つの選択肢が考えられます。
まずは損切りです。
株を売却して、損失を確定させることです。損切りのタイミングはむずかしいので、機械的に10%下がれば売ると決めるのも有効な手段です。しかし気をつけたいのは、株価の変動が激しいグロース株投資では、とくに悪いニュースがなくても、10%ぐらいは株価が上下するため、せっかく10倍株を見つけても、すぐに手放すことになるかもしれません。
買い増しはハイリスクなので慎重に
次は買い増し(ナンピン)です。
下がったところで、株を買い増せば、平均取得単価を下げられます。投資家は「難平」(ナンピン)買いと呼んでいます。ナン(損)を平(たいら)にするという意味です。
ただしさらに株価が下がれば、損失が拡大します。「落ちるナイフはつかむな」という投資格言があるように、どこまで株価が下がるのかは誰にもわかりません。とくに悪いニュースがあったときは、上昇に転じるまではナンピンを控えるべきです。
最後に様子見があります。
様子見は何もしないという意味ではありません。どうして株価が下がったのか調べ、ストーリーを点検したのち、ストーリーに変わりがないのなら、ジタバタせずにどんと構えているということです。
今回、ダイズの株価が下がったのは、悪いニュースがあったからではありません。カルタくんの描いた成長ストーリーは崩れておらず、投資金額も最低単元のみで、まだ資金余力もあります。買い増しするか様子見するのがいいでしょう。