その数字が本当かどうか確かめる術はない

「残席」というのは集客に困った自己啓発セミナーで使われることが多い。

そもそも本当の人気セミナーなら残席など知らせる必要はなく、告知前か告知と同時に満席になるはずだ。

詐欺師の常套手段である。

「先着」というのは判断能力を鈍らせる悪魔のキーワードであり、金融機関の紙通帳から電子通帳へとシフトさせる煽りに使われることが多い。

本当に○○名様に特典を差し上げていることを確認できる証拠は、お客様には見せないのが恐ろしいところである。

いかがだろうか。

世の中には騙しの手口があちこちであふれていることがご理解いただけたのではないだろうか。

もし今これを読んで怒り心頭に発した人がいたら、かなりおめでたいとしか言いようがない。

冗談ではなく、これまでの人生で1億円以上搾取されてきた可能性もある。

私が経営コンサルタントをやってきて勉強になったことを一つ挙げろと言われたら、多くの業種業界の裏を見せてもらったことだろうか。

煽りコピーを投げかけられたら「中座」する

以上を踏まえた上で、あなたならどうするかである。

大切なことは単に知ることではない。

知った上でどうするかである。

どうするかだけではなく、どういう習慣にして人生を変えるかである。

煽りコピーを見たら直ちに距離を置くだけではなく、卑しい販売員に煽りのフレーズを投げかけられたら直ちに中座することだ。

一流の世界ではこの「中座」という行為が日常的に行われており、ぜひこの機会にあなたも習慣化してもらいたい。

あなたがお客様の立場なのに上から目線で煽られたりマウンティングをかまされたりしたら、中座して帰ってくるのだ。

千田琢哉『一流の人が、他人に何を言われてもやらなかったこと。』(清談社Publico)

これができて初めて一流の仲間入りである。

私は直接お会いしたことはないが、投資王のウォーレン・バフェットもこの中座の名人だと本で読んだ。

彼は「こいつ、無理」と直感した相手の話は、いかなる理由があろうとも話を遮って中座してきたという。

さすがである。

彼は単なる大富豪というだけではなく、きっと一流の世界の住人なのだろうと確信した。

あなたも今日から中座しよう。

煽りコピーは判断能力を鈍らせる悪魔のキーワード。

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