明確なゴールがないから常に上を目指せる
「なってはないですね。自分でそう思う日はおそらく来ないと思う。目標としてはアバウトというか、そういう目標ですけど、ゴールがない分、常に頑張れるんじゃないかなと。確実にステップアップはしたと思ってますし、今回の賞はその一つだと思うので、今後のモチベーションの一つになりました」
シーズンMVPを獲得しても、WBCで優勝に導いても、世界一の選手の目標は達成されていない。ワールドシリーズ制覇でそうなるのかと言えば、おそらく違うだろう。大谷自身の言葉通り、世界一の選手という評価基準ははっきりしない。明確なゴールはない。だから常に上を目指せる。歴史的なシーズンを送っていた2021年、「世界一のプレーヤーに近づいているか」との問いに、自らが感じる手応えを口にした。
「確実に成長はしていると思うので、それは自分でも実感していますし、やっぱりこうやって高いレベルのなかでやらせてもらって、日本にいるだけではここまでの経験はできなかったと思うので、それはすごく感謝しています」
投手・大谷は、勝ち星より防御率とWHIP
満票でMVPを獲得しても、決して慢心しない。ただ、求める数字はある。ベーブ・ルース以来104年ぶりに「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した2022年8月9日、2桁勝利の持つ意味について問われた。
「もちろん(2桁に)いくかいかないかは印象が大きく変わりますし、そこは違うかなとは思いますけど、もっともっと大事な数字というか個人を評価する上でも大事な数字はあるので、そこが上がってくればおのずと(勝ち星も)増えてくる」
投手・大谷は、勝ち星より防御率とWHIP(1イニング当たりに出した走者の数)を重要視している。
「投球に関してはイニングをしっかり投げて、あとはしっかり低いWHIPで抑えていくのが、それが勝ちにつながる要素だと思うので。打席はもちろんOPS(出塁率+長打率)が大事ですし、そういう総合的なところ、1試合1試合集中して、もっともっと上げていけたらなと」