全報酬の25%をグループのメンバーで分け合う

ジャニー喜多川が考えていたのは日本や世界などという狭い世界ではなく、太陽系全域だったというのである。

また、現代によると、事務所側の権利を定めた条文は多いが、タレント側の権利を明記した条文がほとんどみられないという。

「当該の契約書において懸念されるのは、一般的な専属契約で通常規定されている契約期間の定めが見当たらないこと。契約の解除事由についての規定もないことから、事務所がタレントの退所を前提とした話し合いに応じないことも考えられる」(竹村公利弁護士)

また、

「(タレント側が)芸能創作活動に関して第三者といかなる契約をも締結したり、締結のための交渉をしてはならない」

という条項もあり、タレントの権利をまったく認めないで事務所に縛っていたことが、これを読めばよくわかる。

さらに、タレント側に支払われるギャラは、まず事務所側が必要諸経費として50%を差っ引き、その残りの50%も事務所が取り、残りの50%をアイドル仲間で分け合う。

次号では、有名タレントの「給与明細」を報じている。ある年の6月の支払いは、大手食品メーカーの広告出演料→1500万円。7月は大手飲料メーカー広告出演料→1100万円。9月支払い分は大手電機メーカー広告出演料→1100万円。

テレビ出演はたったの「1200円」

だが、テレビの歌番組の出演料は笑っちゃうぐらい安い。1月分、キー局長寿歌番組→2000円。5月支払い分、キー局人気歌番組→1200円。8月支払い分、キー局人気歌番組→4100円。

テレビに出ることはあくまで宣伝で、稼ぐのは広告や舞台だということがよくわかる。

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バラエティだと少し高くなり、10万円から20万円になることもあるようだ。民放キー局のスペシャルドラマに出ると、ギャラは35万円。

これらに加えて、ジャニーズ事務所では楽曲の印税も支払われる。年4回支払いで1回分が200万円から600万円だそうだ。コンサート収入が約340万円。

広告出演が順調なら年収1億や2億は稼げるのだろうが、ジャニー喜多川事件の影響で大手スポンサーが次々にジャニーズ所属のタレントは使わないと宣言しているから、CM収入が大幅に減ることが予想される。

冒頭書いたように、遅まきながらテレビメディアもジャニーズ事務所との関係を見直す動きが出てきた。TBSの佐々木卓社長は会見で、「ジャニーズ事務所に人権の改善を促すため、我々のことも正さなくてはいけない」と述べている。