内閣支持率は政権維持の「危険水域」に

直近の世論調査による内閣支持率は惨憺たる数字が並び、「マイナ保険証」の延期や廃止を求める声は高水準で推移している。

NHKが8月14日に発表した世論調査(調査期間8月11~13日)によると、「支持する」は33%で、7月の調査より5ポイント下がった。これに対し、「支持しない」は45%で4ポイント上がった。与党支持層に限ると11ポイントも下がって57%に落ちたことが特筆される。支持率の下落は3カ月連続で、岸田内閣発足後、最も低かった22年11月、23年1月と同じ水準になった。

保険証の廃止については、「予定どおり廃止すべき」は20%にとどまり、「廃止を延期すべき」34%、「廃止の方針を撤回すべき」36%と、実に7割が既定路線の変更を求めた。

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政府が発表した再発防止策についても、「あまり評価しない」35%、「まったく評価しない」21%と、否定的な見方が過半数を占めた。

岸田首相の記者会見直後に行われた時事通信(同8月4~7日)では、「支持」が27%(前月比4.ポイント減)と、政権維持の「危険水域」とされる2割台に転落。「不支持」は47%(同8.イント増)と、政権発足以来最高を記録した。

「マイナ保険証」への不信は募るばかり

毎日新聞(同7月22~23日)は、「支持」が28%と2カ月間で17ポイントも下落、「不支持」は65%で2カ月間で19ポイントも急増した。

朝日新聞(同7月15~16日)は、「支持」37%(前月調査5ポイント減)、「不支持」50%(同4ポイント増)。マイナンバー制度への信頼性について61%が「信頼していない」(「あまり」42%、「全く」19%)と答えた。

比較的高めの支持率が出るとされる読売新聞(同7月21~23日)も、「支持」は35%と前月から6ポイント下落し、21年10月の内閣発足以降最低を記録。「不支持」が52%で前月から8ポイントも急増し過去最高となった。「マイナ保険証」に一本化することへの「反対」も58%と高かった。

今春からマイナンバーをめぐる不祥事が全国規模で次々に発覚。数え上げたらキリがないほど、さまざまなトラブルが明らかになっている。

立ち入り検査の対象となったマイナンバーと預貯金口座をひもづける公金受取口座登録問題に限っても、他人の口座を誤登録したケースが確認されただけで940件、本人以外の家族名義の口座に登録した事例は約14万件にも上る。埼玉県では、実際に他人の口座に誤って入金してしまった。